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苦境のコメ作り 新米価格は? 【藤原が行く】#87

2026.09.10(木) 18:45

【藤原祐輝アナウンサー】
気になる話題を現場から「藤原が行く」、今回はコメの価格についてです。

【澤田愛美アナウンサー】
去年から一転、値下がりが続いていますよね。

【藤原アナ】
まもなく新米の季節がやってきますが、青森県内でも去年産のコメより新米の方が安いという逆転現象が起きるのでしょうか?農政に振り回される現場の声を聞きました。

「石澤さんおはようございます。よろしくお願いします」
「今年も収穫の時期を迎えていますけれども、今シーズンのお米の出来はいかがですか?」

【生産者 石澤光さん】
「今年は猛暑も少なくて適度な雨が降ってくれたので出来は本当にいいと思う、胴割れも少ないと思う」

藤崎町のコメ生産者、石澤光さんです。青森県内のコメ作りはここ数年猛暑の影響を受けていましたが、石澤さんは今年の新米についてここ数年で最も良い出来になったと手応えを感じています。収量も去年より5%ほど増える見込みです。

【藤原アナ】
「率直に今、価格動向についてはどんな思いでいますか?」

【生産者 石澤光さん】
「去年の前提の話になるけれど結局うちは高すぎたと思っていて、値崩れ始まると思っていたらやっぱりそうなった」

全国のスーパーで販売されたコメ5キロの平均価格のグラフです。2026年1月ごろには4416円となっていましたが、値下がりが続き、最新の価格は3112円。1年も経たずに3割ほど安くなりました。

コメの価格が下がっている背景には、全国的なコメ余りがあります。コメを扱う業者は去年、高く仕入れたコメをいかに余らせずに売るか苦戦を強いられています。

【藤原アナ】
「去年産のコメは仕入れ価格と最終的に売る価格どれぐらい変わりましたか?」

【長幸 長利勝弘代表】
「うちは3万円半ばで仕入れたコメなんですけれど、去年11月ぐらいから値段が下がっていって、(年明けの)最終価格は2万円でしたね」

中泊町で、コメの集荷と卸売りを手がける長幸です。現在、倉庫にある去年産のコメはすべて卸先が決まっているものの、価格を大幅に下げての販売です。

【長幸 長利勝弘代表】
「今の売値に換算すると1万3000円ぐらいになっていますね」

【藤原アナ】
「さらに下がって」

【長幸 長利勝弘代表】
「会社的には、損切りしながら売っているという形になっちゃうんですけれども」

県内でもこれから稲刈りが本格化する中、新米の価格を左右するコメの概算金が14日に発表されます。去年は1等米60キロ当たり3万円と異例の高値がつきましたが、今年の予想は…。

【生産者 石澤光さん】
「スーパーで5キロ3000円切りたいんだろうなという動きがちょっと見えるので、1万5~6000円になってしまうのではと思っている」

注目される「新米の価格」。長利代表は今後、去年産のコメより新米の方が安いという逆転現象が県内のスーパーでも起きるのではないかと予想しています。

【長幸 長利勝弘代表】
「去年産が今5キロで3500円ぐらい、それが新米に切り替わったら2500~2800円ぐらい、消費者はいいと思うんですけれど、生産者はそれじゃやっていけないので国になんとかしてほしい」

なぜコメ不足からのコメ余りになってしまったのか?長利代表は、作況指数と実際の収量が懸け離れていることが事の発端だと見ています。

【長幸 長利勝弘代表】
「正しくは4年前からの話になる、実際に国が出す作況指数と実際に現場で取れている量に乖離があった」
「政府が出したのは99だった、一番猛暑が強かった時に(2023年)、うちの生産者が出荷してきた量が全体でいうと85%切ったぐらい」

長利代表によると、2022年から3年間、猛暑などの影響により県内の収量は減少。
しかし、国の発表する作況指数ではコメが十分取れていると判断され、作況指数から見える収量と現場で実際の収量に隔たりがあったといいます。

その結果、2024年ごろから在庫がなくなりはじめ、長利代表も備蓄米の放出について農水省に陳情をしたそうですが、放出には至らず。

2025年3月ごろから一気に備蓄米が放出されましたが、同時に輸入米も大量に入ってきたため、今度は市場ではコメが余る結果になったとみています。

2025年の年末ごろには、すでに一部の団体から備蓄米の買い戻しを求める声が出ていたそうです。

そんな中、9月1日…。

【鈴木農水大臣】
「コメの供給量は十分に確保されることが確認されたことから、政府備蓄米の買い戻し手続きを開始いたします」

鈴木農水大臣が備蓄米の買い戻しを発表しました。その量は59万トン放出したうちの21万トン。

【長幸 長利勝弘代表】
「59万トンやったとしても、つり合いが取れるかどうかの形、21万トンだと全然足りないですね」
「白米が値上がりしたのも、今の米価が下がって生産者が痛手を食うのも、全部政府が手をこまねいたというより、手を打つのが遅かったというのが原因です」

価格が安定しない日本の主食、コメ。長利さんは、生産者不足から将来的にはコメの生産量が足りなくなると懸念しています。

【長幸 長利勝弘代表】
「今は十分な供給ができていますけれども、5年先には需要に対する供給が追いつかないのは目に見えています」
「今すぐにですよ、お米の生産が安定した収入になるように切り替えたとして、農家さん国を信じていると思いますかね?私思えないんですけれど」
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