養殖ホタテの水揚げ量が県内で最も多い平内町。平内町漁協によりますと、2024年の1年間に水揚げされたホタテは1万1580トンで、前の年の38.7%に激減しました。
過去に高水温の影響を受けた2011年の1万9357トンを8000トンほど下回り、平成以降では最も少ない水揚げ量です。
【平内町漁協 柴田操専務】
「過去にも水揚げ自体が少なかった時期はあったんですが、ホタテの養殖だけで考えると平成以来最低という状況で、漁業者にとっては本当に厳しい状況だと思います」
さらに、平内町漁協によりますと2024年の秋以降、稚貝が死ぬ被害が拡大し、現時点のへい死率は9割程度と見込んでいます。
このため、2025年の水揚げ量は前年を大きく下回り、4000トン前後まで落ち込むと予想しています。
【平内町漁協 柴田操専務】
「3000~4000tというレベルまで落ち込む」
「例年であれば3万~4万tくらいの水揚げ量なので、その10分の1くらいという」
こうした状況から平内町漁協は9日、漁業者が支払う住民税や社会保険料の減免などを町に要望し支援を求めました。
このような状況の中、平内町で24日、知事と県民が直接話し合う対話集会「#あおばな」が開かれ、ホタテ産業の現状や課題について意見を交わしました。
出席者からはホタテの被害状況について再調査を求める声や、この先も生産量が落ち込めば廃業につながりかねないと、厳しい現状を訴える声が相次ぎました。
【ホタテ生産者】
「自分が漁師をやって、2年連続ホタテがこんな状況というのは初めてで、もう災害級というか、なったことがないレベルなので、本当に漁師たちはどうやってこれからやっていけばいいのか、不安でしょうがないと思います」
【ホタテ生産者】
「今までは悪くても単年で済んでいたりしたんですけれども、連続的になっているので、事業をしていく上で相当今は厳しい感じです」
また、加工業者も窮状を訴えました。
【ホタテ加工業者】
「僕らも産業を担っている一つだと思っているので、この危機を乗り越えるための何かしら基金でもいいですし」
「そういうものがあれば助かるかな」
こうした声に対し宮下知事は―。
【宮下知事】
「非常に厳しい状況だということは分かりました、県としては打てる手はすべて打って、漁協・漁連と連携して打てる手はすべて打って、漁師さんたちの環境をつくっていくことが重要ですので、これからしっかりと取り組んでいきたいと思います」
平内町では、水揚げ量の減少から古参のホタテ加工業者が倒産するなど、ホタテ産業を取り巻く環境は厳しさを増しています。