高さ20メートルほどの岩壁のほこらの中で、参拝者たちがろうそくを1本ずつ岩肌に立てていく「沢田ろうそくまつり」。五穀豊穣や家内安全を祈願する地元神社の祭りです。
この土地に逃れた平家の子孫が祖先の霊を供養するために、およそ450年前から始まったと言われています。
コロナ禍で中止され、5年ぶりの開催となりました。
【地元の人】
「やっとやってくれて良かったなと。来たかったし、地元だからこそ皆に来てもらいたいと思うし、皆でずっと継承していってほしいなと思います」
「すごく神秘的で、長く続いてきたこのお祭りを将来にも続けたいなと思いました」
参拝には、地元の人だけでなく、県内外からも訪れます。
【青森市から来た人】
「少し調べてから参加したんですけれども、それをはるかに超えるろうそく明かりの美しさだったりとか、この村の温かさに触れてすごく感動しました」
登山ばやしが響く中、神職たちによるたいまつ行列も行われました。
この神社を管理する沢田地区の住民は、どんどん減り、今では6世帯17人に。18年ほど前に実行委員会が立ち上がり、祭りを守っています。
【沢田ろうそくまつり実行委員会 三上昇委員長】
「5年は結構長かったです」
「きょうの開催を迎えられたということが、非常に感慨深いものがあります」
「祭りというのは、守っていかなければならないなというのを改めて感じました」
12日は1000人ほどが参拝し、ゆらめくろうそくの炎に願いを託していました。
この祭りでは、ろうそくが一晩中たかれ、翌朝のろうの垂れ方で2025年の農作物の出来を占います。
そのろうそくの垂れ具合ですが、「農作物は平年並みだがやや劣るかもしれない。気象に関しては要注意である。遅霜にも風にも注意が必要でしょう」という結果が出たということです。