県内への転入よりも県外への転出が上回る転出超過が続く青森県。
【宮下知事】
「私はこの2025年は青森県を挑戦のフィールドにするスタートの年にしたいと考えていますので」
「青森県だからできるという自信を深めて、そのことが若い人たちに伝わるように取り組んでいきたいと思っています」
県は、若者や女性の県内定着・還流を促進するための事業費として、新年度予算案に3億3000万円を計上しました。
青森労働局のまとめによりますと、県内の大学などを卒業した就職希望者の県内就職内定率は年々低下しています。
【宮下知事】
「せっかく仕事があるのに県外に流出しているというのがありますから、具体的に大学や高等教育機関と連携して就職について、具体的に取り組みを進めていく、マッチングを進めていくことが大事だと考えています」
12日に開かれた産学官による会議では、弘前大学が県内の学生を対象に行った就職に関する意識調査の結果が報告されました。
【弘前大学人文社会科学部 李永俊教授】
「条件としては、賃金や福利厚生といった仕事面を重視している割合が高いということになっています」
こうした調査をもとに県は新年度、学生のニーズに沿ったテーマ別の企業説明会を開くほか、新規事業にも着手します。
【県若者定着還流促進課 野田保課長】
「新たな取り組みとして『社長秘書体験』というインターンシップを考えています。これは中小企業だからこそできるスタイルで、経営者の目線で仕事を体験できるというメリットがあり、経済団体と連携して実施したいと考えています」
また、県内の高校生に対しても、地域産業に対する理解を深めてもらう事業に力を入れます。
【県若者定着還流促進課 野田保課長】
「新年度は就職希望者に加えて、進学希望者も参加できるように校外の会場で開催するスタイルも取り入れることで、年間で20校を目標に開催し、より多くの生徒に県内就職や、県内企業の魅力を伝えていきたいと考えています」
一方、八戸市の総合建設会社の社長で、全国高校PTA連合会の田名部智之会長は、情報発信の強化が鍵だといいます。
【全国高校PTA連合会 田名部智之会長】
「企業も行政も皆、発信しているんでしょうけれども、子どもたちに届いていない、もしくは親にも届いていない、届いていたとしても行動を変えるまでの決断に至るまでの情報ではない」
そのうえで-
【全国高校PTA連合会 田名部智之会長】
「県内には魅力的な企業や団体がたくさんありますので、せっかくある魅力をしっかり企業・団体が高校生・若者に発信していただければ、我々としても活動しやすくなると思います」
若い世代の人口流出に歯止めがかけられるのか、官民を挙げた継続的な取り組みが必要です。