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大雪による農業ハウス被害 “明暗”を分けたものとは…

2025.05.01(木) 18:45

弘前市の同じ地区にある2つの農園を訪ねました。大雪被害に追い打ちをかけるように動物による食害にも悩まされる生産者がいる一方で、大雪の影響を受けなかった生産者もいます。どんな対策が功を奏したのでしょうか。

【弘前市でブドウなどを栽培 笹森通彰さん】
「これは全部ネズミにかじられたところですね、今切り戻してはいますけれども」

どちらもやっと収穫できるまでに育った3年目のブドウの木です。被害を受けた木は切断し、2025年の収穫は望めません。

弘前市の笹森通彰さんの園地では、自身のレストラン用にブドウを栽培していますが、若い木の食害や雪の重みによる被害で、収量は2~3割ほど減少しそうだといいます。

さらに…。

【弘前市でブドウなどを栽培 笹森通彰さん】
「これプラムの木なのですけど、こんなにやられたのはちょっと初めて。ネズミかちょっと怪しいのですけど、たぶんネズミでしょうと」

例年以上の食害に悩まされる園地。大雪による被害も免れませんでした。

【弘前市でブドウなどを栽培 笹森通彰さん】
「これを全部覆っていたのです」

ここには農業用ハウスがありました。

【弘前市でブドウなどを栽培 笹森通彰さん】
「一気に重い雪がドーンと来たので、それが原因でしたね」
「去年の12月26・27日辺りの大雪の時に除雪機が壊れてしまいまして、(除雪が)できなくなって、人力でやってはいたのですけれども追いつかなくて」

除雪機を注文するも納品が遅れ、3棟のハウスのうち1棟は倒壊し、栽培中だったホワイトアスパラガスはすべて処分。1棟はパイプなどの修復が必要な状況です。

【弘前市でブドウなどを栽培 笹森通彰さん】
「業者さんにまず見積もりからお願いしているのですけど、こういう被害がだいぶ多いのか、なかなか来てくれないですね」

食害や雪害に悩まされる生産者がいる一方、笹森さんの園地から車で数分ほどの「いわきとそら農園」では、雪害の影響はなく、例年より2週間遅れではあるものの、イチゴの「立夏ジューシー」の収穫が始まりました。

【いわきとそら農園 齋藤健太さん】
「積雪がすごかった日の次の日には、もうほぼなくなっている感じです」

なぜ、同じ地区でも雪害の影響がなかったのでしょうか。

【いわきとそら農園 齋藤健太さん】
「(雪に)横から押されて、ハウスが潰れたりします。融雪装置を付けているので、落ちたのがまめに溶けて消える仕組みになっています」

12℃ほどの地下水をポンプで吸い上げ、ハウス横で水を出すこの装置、実は夏も活躍しています。

高温対策でイチゴの茎を直接冷やす管に地下水を流した後、ハウス脇のアスファルトを冷やす役割も。

融雪装置により、大雪や高温といった危機から難を逃れる齋藤さん。今後も異常気象と向き合いながら高品質のイチゴづくりに精を出します。

青森県内では、4月30日現在、大雪による農林水産業関係の被害は4億3200万円となっています。
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