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“動物愛護”の一歩先“動物福祉”の視点 犬が通う幼稚園 トレーニングの狙いとは?/弘前市

2025.09.25(木) 19:24

9月20日から26日は動物愛護週間です。かわいらしい犬たちが集まっているこちら、実は犬が通う幼稚園なのです。どんな狙いがあるのでしょうか?家庭犬専門のトレーナーを取材しました。

弘前市にあるFULFILLドッグサロン。犬を育てる上での困りごとの相談や、レッスンを行っています。ここで手掛けているのが…

「来た来た来た!」

犬たちが通う、「わんこようちえん」。幼稚園に登録している犬はおよそ50匹。生後2カ月から13歳と、幅広く活用されています。

ドッグサロンの代表、タナカアカリさんは家庭犬専門のトレーナーです。

【FULFILLドッグサロン タナカアカリ代表】
(Q.私、犬の幼稚園に初めてお邪魔したのですけど、ここはどういうことをする場所なのですか?)「ここは、わんちゃんを朝から夕方くらいのお時間までお預かりして、主にわんちゃんの欲求を満たすような活動とか関わりを提供するサービスをさせていただいています」

店名の「FULFILL」は英語で「満たす」という意味。

犬も人と同じように基本的な欲求を持ち満たしたいと思っています。それが日常生活で満たされないと、破壊行動や吠えるといった望ましくない行動が出やすくなるとタナカさんは話します。

【FULFILLドッグサロン タナカアカリ代表】
「適切に欲求を満たして、穏やかな行動が出やすいような、そういう暮らしのサポートをさせていただいています」

幼稚園は月曜・水曜・金曜の週3回開かれています。

【目元を拭くトレーニングの様子】
「触るよ、(拭く)そう(おやつあげる)」

幼稚園で取り組んでいたのは、お手入れに対しての協力行動を教える「ハズバンダリートレーニング」です。

【FULFILLドッグサロン タナカアカリ代表】
「人の手を受け入れるとか、お手入れの道具を受け入れることって、もともとわんちゃんたちの文化にないものなので、私たち人間がこれは良いものですよ、受け入れるとお得がありますよと教えてあげる必要があるのですね」

咲良ちゃんが取り組むのは歯磨き。

【トレーニングの様子】
「さくちゃん始めるよ」「始めるよという開始の合図とともにお手入れの道具が出現してきます。お手入れの道具とあとバケットって呼んでいるのですけど、食器をどこに置くかで、転がる方向や位置を教えているのですね」

咲良ちゃんにとってお得なことがないと歯磨きの行動を維持できないとのこと。おやつを使って教えていきます。

【FULFILLドッグサロン タナカアカリ代表】
(Q.私の犬はあまり歯磨き好きじゃないので魔法を見ているようです)「最初から好きな犬って私見たこと無くて(笑)。歯ブラシ最初からすごく好き!歯ブラシして!ってわんちゃん今まで1回も会ったことないですけど」

(やっぱりそうですよね!)「前提、わんちゃんって、お手入れとかブラシとか歯ブラシとか爪切りとかそういうものって、苦手だよねって思って関わってあげるっていうのはすごく大事で、苦手なのだけど一緒に暮らしていく中で必要になるからこそ、わんちゃんにとって負担にならないような、無理強いしなくてもできるような方法を提案させていただいているというところですね」

こちらはバリカンを使ったお手入れの練習をしていたプーくん。

【FULFILLドッグサロン タナカアカリ代表】
「オッケー」(プーくんがチンレスト台から離れて、おやつ食べて、バリカン再開)「触るよ」
「さっきみたいにオッケーってあえてリリースすることでその後、参加するかどうかっていう意思確認もしたりするんです」「結構嫌なのに食べ物もらいたいからって頑張らせすぎちゃうと、葛藤起こっちゃって望ましくない行動が出たりするので」

タナカさんの取組は他にも。店の前にうんちポストを設置したのです。処理できる場所があれば協力する人が増えるのではないか?と考えました。

【FULFILLドッグサロン タナカアカリ代表】
「放置うんち嫌だよねと言いながら、もう一歩先に何かできることがあるのではないかと思ったときに、街をきれいに保ちたいとか犬たちを社会に受け入れてほしいという、愛犬家の人たちが、放置うんちを見つけたら自分の子のものでなくても拾って処理しましょうという、そういう考え方をもっと広げていきたいなと思いました」

店の前の通りにはかつて放置されたうんちが多かったものの、ポストを設置してからは見違えるほどに変わったそうです。

今週は動物愛護週間。タナカさんが大切にしているのは「動物愛護」の一歩先にある「動物福祉」という視点です。

【FULFILLドッグサロン タナカアカリ代表】
「爪を切らなければ健康を害するから爪切りしてあげたいよね、この気持ちも「愛護」だけど、動物福祉的に考えるとわんちゃんはその爪切りを心地よく感じているかを考えるのですね」
「動物福祉というのは私たち人間側が動物に思う、あなたこれ幸せだよね、という視点ではなくて、動物たちがどう感じているか、動物目線に立った幸せを考えることを動物福祉って言っていて、そういうことを暮らしの中で大切にしていくと関係性が良くなっていくので、そこを私たちは大事にしています」
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