男性の遺族は青森朝日放送の取材に対し、「あと30分早く除雪が入っていたら」と、悲痛な胸の内を語りました。
【亡くなった男性の娘】
「私の中ではまだ11日から時が止まっているというのが本音ではありまして、思い出すシーンも毎回同じところ。倒れている父の姿が一番焼きついている。毎日繰り返されて忘れることはないと思うんですけど」
こう話すのは、亡くなった男性の娘です。先月11日の午後8時ごろ、青森市筒井の住宅街で、1台の軽乗用車がスタックしました。
車を救出するため、加勢を求められた近くに住む75歳の男性は、寝る支度をしていたところでしたが、二つ返事で外へ出ました。
しかし、作業中に突然倒れ、搬送先の病院で亡くなりました。
男性に助けを求めた向かいの家に住む60代の女性は男性が車の前方から後方に移動した際に、あおむけに倒れたと証言します。
【向かいの住人】
「転んだのかなと思ったって。そしたら急にいびきかいたってうちの主人が言って、すぐに「救急車」って言った。えーと思って。何でって。何もやっていない時、(黒い板を)持って「後ろに行くからな」って、「ママふかすなよ」って、後ろに行ったら」
亡くなった男性の娘はすぐに駆け付け心臓マッサージを行いました。救急車は電話からおよそ15分ほどで到着。
道路状況が悪く、停車したのは現場からおよそ200メートル離れた場所でした。この日、道路の雪はシャーベット状で、歩くことすら難しい状況でした。
救急隊員が駆け付けると、6人がかかりで男性を担架で運び、亡くなった男性の娘も一緒に救急車に乗り込みました。この搬送直後、救急車の中から除雪車がやって来たのが見えました。
【亡くなった男性の娘】
「正直、もうちょっと早く、(除雪が)あと30分でも早かったらなという思いが一瞬よぎりました、やはり」「誰のせいとかではないと思うんですけど、やはり悔しいという思い。一人ひとりがいろいろな思いを抱いていると思います」
午後11時前、男性は搬送先の病院で死亡。死因は心臓突然死でした。
【共同請願の女性】
「私ピンポンしなきゃよかったと思って」「皆青森の方って、スタックすればよしって手伝いに来る。私も次の日に友達の家にお見舞いに行ったことがあって、その時にスタックしちゃったんですよ、私の車が。皆協力して、道がこんなふうになっていても協力してやってくれる人たちなんだよなって」
大切な人を失った悲しみと悔しさ。一方で、生前の父親の行動を称えたいと娘は話します。
【亡くなった男性の娘】
「父の性格を考えると、困っている人を助けたいという思いが先に来たと思うので、父が行かなかったことはないと思います、やはり」「最後は英雄といいますか、ヒーローだなと思います。尊敬する父ですね」
父親の死を無駄にしてはいけない。その一心で、娘は向かいの家の女性との連名で、青森市議会へ2月11日を「豪雪災害を考える日」に制定することを求める請願書を提出しました。
【亡くなった男性の娘】
「想定できる人は誰もいないと思います。想定できないからこそ対策を強めていくしかないと思うので、やりすぎなほどでも対策を何十個何百個でもあげて、それに対して回答をしっかり用意しておくことが大事だと思います」
スタック現場の周辺の住人などによりますと、1カ月ほど除雪が入っていなかったということです。
亡くなった男性の娘は市民一人ひとりが自分のできることを考える機会になればと話していました。
請願書は6日の青森市議会都市建設常任委員会で審議される予定です。














