行政処分を受けたのはみちのく記念病院を運営する医療法人杏林会です。
県によりますと、みちのく記念病院では事務職員が医師の出退勤状況を確認せずに画一的にタイムカードを打刻していました。また、12人いるとした常勤医師のうち7人は常勤と認められませんでした。
このため、県は客観的な方法により医師の勤務時間などを把握すること、また、県と八戸市に事実と異なる報告をしてきた原因を調査し、再発防止策を2026年2月末までに講じるよう杏林会に命じました。さらに、具体的な改善計画を9月中に県に報告するよう求めています。
【県健康医療福祉部 守川義信部長】
「期限までにこの命令に係る必要な措置を講じない時は、知事は期間を定めてみちのく記念病院の業務の全部または一部の停止を命ずる場合がある」
一方で、県はみちのく記念病院に対する定期や臨時の立ち入り検査を振り返り、従来の検査体制の課題を洗い出し医療機関に対する指導・監督の在り方を検証するとしています。
【県健康医療福祉部 守川義信部長】
「医師の勤務体制の不備を指摘できなかったところは、立ち入り検査をする行政側にも課題があったのではないかと思っています」
【八戸市 熊谷市長】
「運営が著しく適性を欠くものであるため、同法(医療法)第24条の2第1項の規定による「改善措置命令」を行ったというものであります」
行政処分を受け、八戸市の熊谷市長も会見を開きました。この問題を巡っては市は県の協力を得ながら2月から5月までの間合わせて6回、病院に対し医療法に基づく立ち入り検査を行いました。
さらに、3月には法的な強制力のない1回目の行政指導を行いましたが、病院側の法令順守意識の希薄さが認められたことから、法的強制力のある行政処分を行う必要性があるとして、8月18日付で権限のある県に対し通知を行っていました。
市は病院に対し処分と同時に2回目となる行政指導を行いました。市によりますと病院側はおわびと共に、「今後、適切に対応していく」と応えたということです。
みちのく記念病院を巡っては、入院患者の殺人事件を隠蔽しようとしたとして、元院長らが起訴されています。